本『宇宙主夫日記/山崎大地』ネタバレあり感想。宇宙飛行士・山崎直子を妻にもった夫の恨み節がすごい

あつき
あつき

重責ある仕事をする妻を夫が支える、感動秘話じゃなかったのか…

ねこさん
ねこさん

女性宇宙飛行士・山崎直子さんが、ご主人との二人三脚で夢を叶えたって話でしょ?

あつき
あつき

いや、それが違った。この本には夫さんの愚痴しかない。辛い。

※山崎直子さんは2012年2月に離婚されています。

宇宙主夫日記 妻と娘と夢を追いかけて!

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山崎 大地
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ネタバレあり感想

”宇宙開発に関わっていた大地さんは自らの夢を封印し、妻を支えるという道を選んだ”

そんな美談が何度もテレビで流れていたのを記憶していたれど、この本を読んで「あの報道はなんだったんだ…」と思わずにいられなかった。

妻・直子さんへの恨み節の数々。「僕はこんなに辛くて、こんなに苦しいのはすべて宇宙飛行士の妻のせいだ!」という愚痴のオンパレードをただただ読んでいた。

産後2ヶ月で訓練のため海外赴任する妻。夫は仕事をしながら乳幼児を抱え、さらに親の介護が降りかかり、その過酷さは想像に余りある。

ただそれなら妻の言うように、せめて日中は保育園の手を借りてはどうだったろうか。「子どもは親の元で育てるべき!」と自らの主張を曲げなかったことで追い込まれ、妻に恨みを募らせていく。

そして「家族は一緒にいるべきだ!」と夫は仕事を辞めて、アメリカ赴任の同行を決める。半ば強引に。渡米してからの夫は崩壊の一途をたどる。

上手くいかないことのすべてを、妻のせいにしていく。もはや八つ当たりとしか言いようがない。

自らの事業が軌道に乗らないことから”元凶”を断つために「離婚」を切り出した。妻が、宇宙船の搭乗指名を待つ、とても重要な局面だった。

夫の暴論は離婚調停員も呆れて見離してしまうほどで、歩み寄ろうとする妻からの連絡はすべて無視だ。そしてついに2歳の娘を置いて、ひとりで日本に帰国してしまう

あまりにも過酷な、シングルマザー宇宙飛行士の誕生だった。

彼女は母子家庭状態で優希をひとりで育てていた。(中略)親戚もいない、異国の地での子育てである。心細いことも多々あったことだろう。「自分が倒れたら、優希はいったいどうなるのだろう」不安に思った彼女は、いっとき、職場の上司に鍵を預けていたそうだ。「私が2、3日、連絡なしに休んだら、この鍵で我が家を開けてください」

引用元:「宇宙主夫日記」より

よくもまぁこんなことを書けたものだと驚愕する。そしてそんな妻の様子を語った夫は、さらにこう続ける。

「こうした体験で直子もようやく私の苦しみを理解しただろう」

引用元:「宇宙主夫日記」より

辛い… ここまで話が通じないなんて。

もう一度いう。”宇宙開発に関わっていた大地さんは自らの夢を封印し、妻を支えるという道を選んだ”というあの報道はなんだったんだ。あの夫婦の笑顔はなんだったんだ。

宇宙飛行士の妻を支えた夫の感動秘話を期待して読んだのに、なんて仕打ちなんだ。これも「宇宙飛行士の妻」のせいなのか。

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あらすじ

文庫本とあとがき

2021年3月現在、文庫化はされていません。

映画・ドラマなど映像化

2021年3月現在、映像化はされていません。

コメント

  1. 強く共感!
    だってさ…と最後の締めくくりが秀逸です。

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