ママを応援したいという絵本作家のぶみの想いと母親たちの気持ちのずれ

絵本作家のぶみさんの【あたしおかあさんだから】の歌詞が炎上しております。さかのぼってみれば、絵本【ママがおばけになっちゃった】もよく燃えてました。のぶみさんのメッセージって「ママを大事にしようね」ってことなんだけど、ママたちとっては“それじゃない”感なのですよね。

のぶみ【あたしおかあさんだから】の歌詞

まずは歌詞の内容をざっくりとまとめてみます。

この歌に登場する「あたし」は、「おかあさん」になった現状を「おかあさん」になる前の自分と対比しながら語ります。

ヒールもやめたネイルもやめた。仕事もパートになった。

眠いけど5時におきて、好きなおかずもあなたにあげて、新幹線の名前を覚える。

自分よりあなたのことばかり。

「あたし、おかあさんだから」

前は痩せてたのよ。好きなことして、好きなもの買って自分のために生きられたの。

だけど今は服だってご飯だって子どものことばっかり。

カレーの味もテレビも全部、子どもに合わせて。

「あたし、おかあさんだから」

苦手な料理も頑張らなきゃ。いいお母さんになるために頑張らなきゃ。

「あたし、おかあさんだから」

「あたし」さん・・・大丈夫か・・・

前はあんなこともこんなこともできたのに、今は子どものことだけ。あれもこれもできなくなったけど、それでも・・・「あたし、おかあさんだから」。

ものすごく追い詰められているようにしか思えないもの。

最後「だけどおかあさんになってよかった、あなたにあえてよかった」と結ぶんですが、なんかもう全然救われない。

私はそこまで追い詰められた記憶もないけど、それでもなんだかしんどくなる。

「おかあさん」ってここまで辛いの、ここまで自分を犠牲にしなきゃいけないの?

呪いの歌といわれるのもうなずけます。

この歌が批判された理由

だけどこの歌が言ってることは、当たらずとも遠からずで、母親としては「まぁそういうことはあるよね」という内容ではある。

子どもが生まれてから正社員やめて時間の融通きくパートになった人もいるだろうし、嫌いな料理をがんばってる人もいる。(それ私です)

好きなものを子どもにあげたくなるし、買い物だって時間だって独身時代みたいなわけにはいかない。

でもそこには「あたし、おかあさんだからそうしなきゃいけないの」っていう強迫観念はないよね。

絵本作家のぶみさんの【あたしおかあさんだから】の歌詞が炎上しております。読んでみたけど、ん、これはなんだろう。子育てあるあるといえばそう...

のぶみさんは、歌を作るにあたってママさんたちにリサーチしたらしいけれど、回答した彼女たちも「そうだよね〜」「あるある〜」みたいなノリだったかもしれない。

それが「あたし、おかあさんだから」っていうパワーワードで、もういっぱいいっぱい追い詰められたお母さん像ができあがってしまいます。

歌に込めたのぶみさんの想い

のぶみさん曰く「これは、ママおつかれさまの応援歌」なのだと。

うん、そうだと思った。嫌な気持ちで書いた歌じゃないのはわかる。

のぶみさんは絵本作家だからそのメッセージの対象は主に「子ども」なんですよね。

この歌はきっとこう伝えたかったんでしょう。

お母さんってのはいつだって自分のこと後回しにして、君たちのことをやってくれてるんだよ。

お母さんははじめから「お母さん」だったわけじゃないんだ。君たちが生まれる前は、お母さんも自分の人生を好きに生きてきたんだよ。

だからね、いつも「お母さん」がやってくれてることを当たり前だと思ってちゃいけないよ。

お母さんに感謝しようね。

だけどどうなんだろう。

自分が絵本を読むような小さな子どもだった頃を振り返ってみたときに、普段の生活に「お母さん、ありがとう」っていう感謝ってあっただろうか。

小さな感謝はもちろんあったと思う。

美味しいものくれたとき、優しくしてくれたとき、嬉しいことをされたとき。

だけど「お母さん、私のために好きなことも我慢して、自分の時間もなくて、それでも一生懸命やってくれてありがとう」なんて思ったかな。

思ってないよね。

それでも年齢を重ねるにつれてわかってくる。あぁ、ありがたかったなぁって。

絵本『ママがおばけになっちゃった』

のぶみさんの絵本『ママがおばけになっちゃった』もそうだった。

ママが交通事故で亡くなってしまう。

一度、この絵本でお母さんの死を疑似体験した子は、お母さんを大切にするようになります。「死」を想像することで、生きていることを大切にしようという意識が芽生えるのでしょう。

のぶみさんはそう言うけど、そうじゃないんだ。

母が求めてるのはそういうことじゃないんだわ。

しんかんくんシリーズを手がけるのぶみさんの絵本。ママが死んでおばけになっちゃうってどうなんだろうと思いつつ手にとったけど、これはなんだ?...

子どもはちゃんと分かってる

『あたしおかあさんだから』も『ママがおばけになっちゃった』も、お母さんを大切にしてねっていうメッセージは同じなんですよね。

だけど、子どもにそれを伝えるのって言葉じゃないよなと思います。

ママだって突然死ぬかもしれないんだから大切にしなさい。

ママは自分を犠牲にしてまであなたに尽くしてるんだから感謝しなさい。

いらない、そんな押し付け。

お母さんになってできなくなったいろんなこと、そんなことを小さな彼らに分かってもらいたいなんて誰が思うんだろう。

言葉で伝えるそれにどんな意味があるんだろう。

日々の生活、ふれあい、家族の時間。そんな中で子どもはいろんなことを理解してる。

深部まではわからなくても、お母さんが一生懸命やってくれてることはちゃんとわかってくれてると思います。

わざわざ言葉で伝えなくったって、お母さんが大切で。

いなくなるかもしれないという不安から抱きついてくれるより、ただただ「お母さん、大好き」って抱きついてくれるほうがずっといい。

だってさ、あたしおかあさんだから。

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