その生きづらさは自分を守るために身につけたもの。私ってアダルトチルドレンだったの?

アダルトチルドレン(AC)というと『幼少期にすごく過酷な経験をした人が抱えるトラウマ』のようなものという印象があったのだけど、この本の著者は「誰もがACになる可能性がある」といいます。

幼少期にストレスを体験していない子供なんて存在しない

その度合いは違えども、誰にでも心を傷つけられた体験があって、その痛みから自分を守るために「自分」を作ってしまったのだと。

うん、なんかわかる気がする。

私ってアダルトチルドレンだったの? マンガでわかる こころを癒すセラピー

この本は、そんな自分を知り、適切なケアをすることによって、生きづらさに向き合おうという本です。

著者の壮絶な生い立ち

まず、著者であるセラピスト阿部ゆかりさんの生い立ちについて触れられていますが、これがかなり壮絶なんです。

はっきりいって、他人を癒すどころか自分を取り戻すことで精一杯なんじゃないかってぐらいの不遇の人生を歩んできています。

・幼少期、父の事業が倒産・夜逃げ
・父は愛人がいて不在がち、母は昼夜働きづめ
・ネグレクトで貧乏野生児と化す
・小6で不良。学校サボり、万引き、非行でヤンキーに
・母は自殺未遂を繰り返し、著者が17歳のときにとうとう命を断つ

当然のことながら、心は壊れてしまいました。ただ本人が、自分の壊れた心に気づかずに過ごしていたので、長い長い苦しみのときを歩んできたんですね。

そこで出会った心理の世界。カウンセリングやワークショップで自分の心が癒されていくという不思議なことを体感し、心理学への興味を深めていきます。

通信制大学や大学院での勉強をはじめて10年後、臨床心理学修士を取得し、現在は専門家として活動している、という女性です。

12のキャラクターで自分を知る

「マンガでわかる」っていうサブタイトルの通り、この本では12のエピソードがマンガで描かれています。分かりやすい。

さらにわかりやすいのは、人が抱えるトラウマを12のキャラクターを使って表現していること。

生きづらさを形成している性格っていっても人それぞれだし、自分のどこがあれなのかなんてあまり分からないんですよね。

なので、そんな性格を擬人化してキャラとすることで、あまり気負いもなく自分を見つめなおせるっていうメリットがあります。

あなたはどのタイプ?

本ではそれぞれキャラクターを模していて、主にこれだなっていうメインのキャラを見つけます。

キャラクターを見つけるポイントはつぎの6つ。

  1. 普段の口癖(ネガティブ、なげやり、怒りなど)
  2. 何か起きた時のとっさの思いや考え
  3. 大切な人との間で繰り返されるパターン
  4. 家庭環境や親子関係
  5. きょうだい間での葛藤
  6. 学生時代のいじめ体験

これらのことを思い浮かべながら、次の12のキャラクターの中から自分の中にいるもっとも強いものを見つけるという作業です。

【ハカイダー】
自分で幸せを破壊したり、成功を阻止したりする。自分でもよくわからない後悔と安堵の両立

【ドウセン】
諦めている。いじけている。期待しない

【イチャモン】
決めつけた言い方をして執念深い。ありえない理論で文句を言う。無言、無視もあり

【キレルン】
普段は魅力的だが、人格が入れ替わるかのようにキレる。仕返し思考、見捨てられ不安がある。しがみつきも強い

【フーアン】
ビクビク、警戒心が強い。不安でいてもたってもいられない

【ギャクリン】
気持ちとは反対のことばかりする。こころの中は「飢えモード」。関心のないふりが得意

【ソフタン】
柔軟で安定している。愛、優しさがある。調子が良いときの自分

【セオッチ】
自分のせいだと思う。罪悪感をもっていて、他人の責任もすぐとる。すぐに謝る

【ビッキー】
現実否認をする。割り引いて考える。会話が成立しにくい

【ジュジュン】
従順で依存型。気配を消せる。素直な良い子

【カイリン】
無表情。感情が麻痺している。人と会うのを避ける。ゆっくりめの口調

【ネガリン】
褒められるのが苦手。口をひらけば否定語を連発。悪い結果が暴走!

ち、ちなみに私は「キレルン」・・・。私の母もキレやすくて、それにビクビク育った私もキレる母親になってしまったというね、悲しい。

でもね「あー、母に似てる・・・」って自覚したときから、このキレルンな自分と向き合ってきたので、今はかなり改善されてきてます。

自分を知ることって、自分を変えていく第一歩です。とっても大事。

自分を守るために作られた自分

キャラクターを見つけると、その性格やそれが生まれた理由などが記されています。

なるほどと思ったのが、それらがすべて「自分の苦しみを和らげるために登場した」という視点。つまり、元凶となる苦しみが癒されない限り、そのキャラクターと付き合っていかなければいけないということです。

ではどうケアしていけばいいのか。

その方法については、著者が実際にセラピーをした人たちのエピソードが添えられていますが、もちろん、皆がそれで解消されることはありません。

解決する手段としての情報を得るには物足りないかな。

だけど、私ってアダルトチルドレンかな?って思っている人もそうでない人も、ACを知るきっかけとなる1冊でしょう。

マンガでACがわかる

前は「情報は活字で読まなきゃ!」ってこだわりがあったんですけど、マンガはいいですね。「マンガでわかるシリーズ」は時間がない人にもオススメです。

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