宇宙飛行士・山崎直子を妻にもった夫の恨み節がすごい【宇宙主夫日記】

感動秘話じゃなかったのか・・・なんとも不快な本だった。

著者は、宇宙飛行士・山崎直子さんの夫・大地さん。まず彼は、なにが言いたくてこの本を書いたのだろう。妻・直子さんへの恨み節の数々。

宇宙飛行士という重い責務の中、この夫との結婚生活によるストレスは計り知れない。
(追記:2012年にふたりは離婚しています。知りませんでした。)

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 僕がこんなに辛いのは妻のせい

直子さんが宇宙に飛び立ったころ、マスコミでは「宇宙飛行士である妻を支え、自らの夢をあきらめ主夫となった夫」について取り上げられていた。

でも実態はこれだったんだ。全然、支えてない。むしろ邪魔しまくってる。

本の中で一貫して語られているのは、「僕は宇宙飛行士の夫になったせいでこんなに辛くて、こんなに苦しいんだ」という愚痴のオンパレード。

普通の主婦が、ある日突然「宇宙飛行士になりたい!」って言ったんだったら話はわかるけど、出会ったときから直子さんは宇宙飛行士候補者だったし、そんな彼女だから好きになったんじゃないの?

「こんなの聞いてないよー」と言わんばかりのアピールの連続に食傷気味になった。

一目惚れで猛アピール

夫もまた宇宙に憧れ、宇宙開発にかかわる会社のサラリーマンだった。

あるシンポジウムで直子さんに出会い、聡明で美人の彼女に一目惚れした。それから間もなく直子さんが宇宙飛行士候補者のひとりとして選ばれたことを知ると、恋心は加速していった。

会話も交わしたことのない彼女と「結婚する!」と言いはじめ、そして2度目に言葉を交わしたときにプロポーズ・・・うーん。

軽く流されるも、その後も猛アピールを続けて、交際がはじまり、結婚へと至った。

思えば、感情ばかりが先行して「宇宙飛行士と結婚する」という覚悟がまったくなかったんだろうな。

家庭を顧みない妻

確かに、子どもが生まれてからの夫の苦労は、同情できるものだった。産後2ヶ月で直子さんが仕事復帰、間もなく訓練のため数ヶ月の海外出張。夫は仕事と子育てに明け暮れ、両親の介護までが降りかかってきた。

「保育園に預ければいい」という妻と「子どもは親の元で育てるべきだ」という夫。夫は「家庭を顧みず、仕事ばかりを優先する妻」に嫌気がさしてくる。分からんでもないけど、普通の会社員じゃないもの、宇宙飛行士だもの。

まー、直子さんの飲み会が多すぎて不満爆発!っていうのは、理解できる部分ではあるけれども。

夫は妻のために仕事を辞める

家族は一緒にいるべきだ!

夫は、直子さんのアメリカ赴任の同行を決め、仕事を辞めた。なりたかった管制官への夢も一時あきらめることになった。この辺りから夫が崩壊していきます。

アメリカで就労できないのは、宇宙飛行士の妻のせいだ!

ボートハウスで生活できないのは、宇宙飛行士の妻のせいだ!

グリーンカード(永住権)が取得できないのは、宇宙飛行士の妻のせいだ!

なんで僕のためにやってくれないの?なんで僕のこと助けてくれないの?なんで僕ばっかりこんな目に遭わなきゃいけないの?

それもこれも、宇宙飛行士の妻のせいだ!

次から次へと妻への責任転嫁がすごい。

喧嘩のたびに「離婚だ!」と騒ぐ

思いつきで設立した会社が上手くいかない。それを妻のせいにして、直子さんが宇宙船への搭乗指名を待つ大事なタイミングで「離婚だ!離婚だ!」って騒ぎ出す。

直子さん、こんなときにマイナス要素持ち込みたくなかったんだろうね。

連絡を無視し続ける幼い夫に対しても「やり直したい」とか言ってるし。私ならそんな余裕ないな。

いろんな人に離婚や夫婦関係を愚痴りまくってるけど、離婚調停員にも見離されて、結局離婚には至らなかった。周りを巻き込んでいるのに、被害者意識が強い。

あれもこれもひどすぎて全部書ききれない。もう読むの疲れた、やめたい。

でも、とりあえず読み切ろう。最後に希望があるかもしれない。

直子は変わった

お前のせいで俺は仕事を辞めたんだ!お前のせいで俺は再就職できないんだ!JAXAの上司に俺の働き口をなんとかしろっていえよ!と理不尽な言葉を何年も言い続ける夫。

直子さんは、そんな夫の就職のために、JAXAの上司に掛け合うなど奔走した。

それは自分が夫のコネになるということ。今まで何度、言われてもそれをしなかったのにとうとう・・・大きな葛藤があったと思う。それに対して夫は、

彼女の中の「変化」を私は感じた。
(中略)

彼女の夢を心から応援するためにも、ますは、この年やってくる私の夢を先に叶える必要があった。そのことに彼女もようやく気付いたようだった。

おぉい!まさかこうくるとは。もう何を言ってもだめかも、この人。

シングルマザー宇宙飛行士

ちなみに、3人で渡米したアメリカからも夫はひとり帰国している。

ずっと夫が妻を支えてきたように語られているけれど、実際は、2年半もの間、直子さんがひとりで幼い娘を育てながら、宇宙飛行士を目指して、異国の地でがんばっていたんです。

彼女は母子家庭状態で優希をひとりで育てていた。(中略)親戚もいない、異国の地での子育てである。心細いことも多々あったことだろう。

「自分が倒れたら、優希はいったいどうなるのだろう」不安に思った彼女は、いっとき、職場の上司に鍵を預けていたそうだ。「私が2、3日、連絡なしに休んだら、この鍵で我が家を開けてください」

泣けるわ。宇宙飛行士という責務のプレッシャーは、精神的にも肉体的にも私たちの想像を絶するものでしょう。そんな過酷な状況でのシングルマザー生活。

そんな妻の様子を聞いてさすがに夫も思うところがあるでしょう。

「こうした体験で直子もようやく私の苦しみを理解しただろう」って。

はぁ?

もう救いようがない。
宇宙飛行士の妻を支えた夫の感動秘話を期待して読んだのに、なんて仕打ち。これも「宇宙飛行士の妻」のせいなのかしら。

宇宙主夫日記(山崎大地)

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