本【明日の食卓】子育てのリアル、虐待へ向かった母親を追い詰めたのはなんだったのか

[photo by Jordan Sarkisian]

「虐待はどこの家庭にも起こりうること」そう言われたらそうかもしれないよなと分かるようでいて、いやでもうちはないけどと思ってしまう。

明日の食卓』は、小学3年生の「石橋ユウ」が、母親の暴力によって命を落とすシーンからはじまる。子どもに向けられた黒い感情と、コントロールを失った過剰な力。その描写を目で追うのはきつくて、読むのやめようかなって思った。

「ユウ」を殺した母親は誰なのか。

石橋ユウという名の子どもを持つ、3人の母親の物語がはじまる。

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明日の食卓(あらすじ)

物語に登場する3組の「石橋家」には、ユウという名の男の子がいる。それぞれの母たちは、専業主婦・フリーランス・シングルマザーなど肩書きこそ違えども、母としての資質にはとりたてておかしいところなんてない。

子育てや日々の生活に奮闘しながらも、子どもを愛して、家族の普通の営みをおくっている、どこにでもあるようなそんな家庭。

だけどあるとき、そんな当たり前だった日常にほころびが生まれ、それは次第に深刻な闇を作り出していく。

悪いのは母親なのか。罰せられるのは母親だけなのか。彼女らを追い詰めたのは何だったのか。

誰にも頼れない、支えてもらえない

専業主婦のあすみ、フリーライターの留美子に共通して言えたのは、夫が家庭の問題に非協力的であったこと。

子どもの問題や、家計のこと、俺は関係ないとばかりに、すべてを妻に押し付ける夫たちにイライラした。留美子はそんな苛立ちを夫にぶつけ、あすみは耐えた。

一方で、はなから頼る夫もいないシングルマザーの加奈は、すべてを自分で抱え込んでしまうのだけど、些細な周囲の温かさに気づけたりする。

自分たちをみていてくれてありがとう、と感謝する。子どもの体に、不注意でできてしまった火傷を、虐待かと疑われたときも、気にしてくれていると感謝する。

読者という立場でみていると、彼女らがじりじりと追い詰められていくのがよくわかる。夫には頼れない、支えてもらえない、自分はひとりで戦わなければいけない

孤独で張りつめられた心にはまったく余裕がなくて、そこに刺激を加えようものなら簡単に爆発してしまう。愛するわが子であっても

夫や妻へのイライラが子どもに向かう

彼女らのような深刻な状況でなくとも、子どもに対して必要以上にイライラを爆発させてしまうことがある。

そういうとき、子ども以外に問題があるケースも多いのではないかと思う。

夫(妻)へのイライラ、将来への不安、経済的な余裕のなさなど、悩みを抱えて余裕がないとき、いつもの引き金が大きな爆発になってしまうことってある。

留美子のように、夫婦間での怒りが子どもに向かってしまうことって、どこの家庭にもあることだよなと思った。

正直わたしも、夫にイライラしてるときは子どもへの当たりがキツくなってしまうのは自覚していて、とんだとばっちりだなと反省したことも1回や2回じゃないし。

ただそれが修復できないほどひどくて、恒常的に夫婦関係が悪くなっている場合、子どもへの圧力もやっぱり日常的になってしまうんだろうな。

まとめ

幸いうちの夫は、家事や子育てに対して非協力的ということはないから、そこまで『孤独』を痛感することもないのだけど、それでもね、母親の負担っていうのは父親よりはるかに大きいなって思う。

仕事ももちろんそうだけど、日常の家事や子育て、それに加えてイレギュラーなこと、保育園や学校の準備や、季節が変われば衣服を替えて、必要であればサイズアップしたものを揃える。

将来的なお金のことも気になるし、日々の節約なんかもやっぱり気にしていかないと。ここが汚れてる、あぁ掃除しなくちゃな、もう年末か年賀状どうしよう。親戚の子のお年玉はどうする、その前にクリスマスプレゼント何にしよう。

すっごい追われてるなぁって感じる。そんな中で「オレ関係ねー」なんて態度とられようもんなら・・・だけどいるんだよね、周りでもちらほら。

だからってみんながみんな、この本のように子どもを手に掛けるなんてことはありえないのだけど、でもそんな危うさを秘めているところはあるかもしれない。

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コメント

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